パワハラで退職したい!知っておくべきポイント&注意点

パワハラの被害を受けると、毎日の出勤や仕事の時間が苦痛になってしまいますよね。

しかし、パワハラを受けやすい人ほど

  • 周りに迷惑をかけてしまいそうで、なかなか転職・退職に踏み切れない

  • 自分がガマンすれば解決する

  • 退職の意思を伝えると、嫌がらせがエスカレートしそうで怖い

こんな風に考えてしまい、つらさやストレスを抱え込んでしまうケースが多いです。

パワハラ被害に悩んだら、自分の置かれている環境を変えることは非常に有効な対処法のひとつ。

そこでこの記事では「転職・退職」が頭に浮かんだ人のために、パワハラ被害と転職・退職に関するポイントや注意点をまとめて解説していきます。

転職や退職を行動にうつす場合、しっかりと事前に知っておくべきポイントを抑えておかないと、不要なトラブルに巻き込まれてしまう可能性も……。

できる限りスムーズに手続きを進められるよう、必要な情報をギュギュっと凝縮してお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

パワハラで退職はあり?なし?

そもそもパワハラ被害にあってしまった場合、それが原因で退職は可能なのでしょうか?また、その先の転職活動で不利になってしまうリスクはあるのでしょうか?

結論から先に述べるとすると、パワハラが原因で現在の会社を退職するケースは非常に多いです。

  • こんな会社なんか辞めてやる!

  • 自分の能力を発揮できる会社はほかにあるはずだ!

このような前向き・強気な心持ちで会社を辞める方ももちろんいますが、退職する方の多くは、

  • 精神的にも肉体的にも限界……

  • 会社に行くのが苦痛で、なんとかして逃げ出したい

このように、ネガティブな感情に追い込まれてしまいがち……。こういった時ほど、退職前にやるべき手順をすっ飛ばしてしまうことが多く、結果として「泣き寝入り」のような状況に追い込まれてしまうリスクがあります。

パワハラが原因での退職はあり!ただし注意も必要

くり返しになりますが、パワハラが原因で退職を希望することは十分に可能です。ただし、衝動的に辞めてしまうのはリスク大!

退職後、被害者である自分が損をするようなことは避けたいですよね。辞め方によっては、次の転職活動時に不利にはたらく可能性もあります。

  • 衝動的に辞めるのはNG

  • 「なんでもいいから早く辞めたい」はNG

  • 「めんどくさい」「何とかなる」はNG

パワハラが横行するような企業であれば、転職や退職は自分の身を守るための正しい対処法のひとつです。だからこそ、後悔せずに次のステップへ進むために、退職前にやるべきことを整理しておきましょう。

ここからは具体的になにをやるべきか、注意点や便利なサービスについてくわしくご紹介していきます。

 

パワハラで退職する前にやるべき3つのこと

パワハラが原因で退職・転職を検討する場合、

  • すでに限界ギリギリまでストレスを抱え込んでしまっている

  • 精神的・肉体的になにかしらの支障をきたしている

このような方は、一刻も早く環境を変えることが望ましいでしょう。専門機関へ出向き、自分の体調に合った対処法を取ることが一番です。

しかしそうではない場合、自分にとってちょっとでもメリットを生みだせるよう、実際に会社を去る前に以下の3つのポイントは必ずチェックしておきましょう。

  1. パワハラの証拠を残しておく

  2. 専門の相談機関を利用してみる

  3. 会社の就業規則を確認しておく

それぞれについて、詳しく解説していきます。

 

1.パワハラの証拠を残しておく

まず何よりも重要なことが、パワハラの『証拠を集める』ことです。

記録として成立する証拠を残しておかないと、後からどんなに自分の思いを訴えたところで、それを証明することができません。

反対に証拠をしっかりと残しておけば、

  • 裁判に発展した時に、自分にとって有利になる

  • 退職後、ハローワークに異議を唱えられる(「自己都合退社」を「会社都合」にしてほしい、など)

  • トラブルになった際、自分の身を守る材料になる

このように、多くの恩恵を受けられます。

パワハラ被害を受けた!と感じたら、できる限り丁寧に、より多くの証拠を集められるよう意識してみましょう。

どんな行為が「パワハラ」に該当するの?

パワハラ行為は、以下の6つの類型に分類することができます。具体的な例とともにみていきましょう。

  • 身体的な攻撃:叩く、殴る、蹴るなどの暴力行為。物を投げつけるなど。

  • 精神的な攻撃:同僚の前で過剰に叱責される。全社員宛のメールで罵倒される。

  • 人間関係からの切り離し:無視される。社内イベントに呼ばれない。席を隔離される。

  • 過大な要求:達成不可能なノルマを強要される。他人の仕事を押し付けられる。

  • 過小な要求:職務に見合わない単純作業しか与えられない。

  • 個の侵害:交際関係をしつこく聞かれる。プライベートな会話をチェックされる。

今、つらいと感じている行為はパワハラに該当するかどうか、上記の類型を参考にしてみるといいでしょう。

また、ひとりでは判断できない場合は、専門の相談機関へ問い合わせてみるのもあり。相談機関については、次の見出しで解説していきます。

どうやってパワハラの「証拠」を集めればいい?

証拠を集めるといっても、ただやみくもにメモしておくだけでは、証拠として使えないケースもあります。

証拠を集める方法として一番有効なのは、パワハラ行為を受けている場面を録画・録音すること。ビデオカメラやICレコーダーはもちろん、スマートフォンのカメラで撮影や録音したものももちろんOKです。

その他の方法とすると、

  • パワハラ被害を受けた日時や内容をメモしておく、日記に書き残す

  • 罵倒されたメールの内容をプリントアウトしておく

  • 夜中にしつこく着信があった場合、着信履歴を写真に収めておく

  • 相談窓口を利用した記録を残しておく

  • 医療機関を受診した場合、受診記録や診断書を手元に残しておく

  • 同僚など、パワハラ行為の目撃情報を記録してもらう

このような方法がおすすめです。

しかし、例えば着信履歴や相談履歴などだけでは、会話の内容や罵倒された内容までは分かりません。証拠としては不十分だったり、正式な証拠として採用されない可能性もあります。

記録を残すなら、誰がみてもわかるよう、できる限り細かい情報まで記録するよう注意しましょう。

「誰から」「いつ(何年何月何日何時ごろ)」「どこで」「どんなことを言われた・された」などといった具体性のある内容であることは重要です。

 

2.専門の相談機関を利用してみる

パワハラ行為が原因で転職・退職を検討するなら、その前にまず専門の相談機関を利用してみるといいでしょう。

会社や労働組合に相談窓口があるようであれば、まずは社内の窓口を利用するのがおすすめ。対応も早いうえ、現実的な解決策を提示してくれる場合があります。

しかし中には、

  • 会社に相談機関がない

  • 相談したにもかかわらず取り合ってもらえなかった

  • 相談した内容が社内にバレそうで不安

  • 自分にとって不利益がありそうで相談しにくい

このように感じる方もいますよね。そんなときは、会社の外部で利用できる相談窓口を利用してみましょう。

社外の相談窓口まとめ

 

それぞれの機関で、電話相談や面談を受け付けています。また、相談した内容によって、その先の専門機関や対応方法に関するアドバイスをもらえるケースも。

相談した事実そのものが、「パワハラ被害で悩んでいた」という証拠にもなります。

相談する場合はパワハラ被害の記録と同様、日時や具体的な内容などを伝えられるようにしておくと、より的確なアドバイスが期待できます。

第三者機関に関しては、厚生労働省が管理する「あかるい職場応援団」でも詳しく解説しています。あわせてチェックしてみてください。

 

3.会社の就業規則を確認しておく

企業の中には、退職してしまった後では社内の就業規則を確認できない会社もあります。退職や転職を決めた今だからこそ、会社の就業規則にはしっかりと目を通しておきましょう。

特に入念に確認しておいたいのが、「給料の支払いルール」です。

支払いに関する締め日や規定を知らずに退職してしまうと、せっかく働いた給料が正当に受け取れないこともあり得ます。

どうせ退職するなら、受け取れるお金はしっかりと受け取るべき。ましてやパワハラ被害で会社を出ていくわけですから、そこで損なんてしたくないですよね!

退職届に記載する退職日は、給料の支払いルールを反映したうえで決定するようにしましょう。

就業規則は自由に閲覧できる権利がある

労働局では、労働基準法に基づいて入社した社員全員に就業規則を提示する義務があります。

就業規則の周知義務があるにもかかわらず閲覧を拒否した場合、その企業はブラック企業である可能性も。

パワハラだけでなく、労働環境すら整っていない可能性があるため、自信をもって退職・転職を進めましょう。

どうしても就業規則の閲覧を拒否されてしまった場合は、労働基準監督署で閲覧できることになっています。気になる方は一度問い合わせてみるといいでしょう。

 

パワハラ退職で知っておくべきポイント5選

パワハラが原因で退職や転職を考える場合、実際に退職届を提出する前に知っておきたい重要なポイントもいくつか存在します。

知らないまま退職してしまうと、

  • 受け取れるはずのお金が受け取れない

  • 退職後にトラブルになるリスクがある

  • 自分の希望通りに退職させてもらえない

などなど、自分にとって多くのデメリットを被る可能性があります。

できる限り損をすることなく、円満に退職できるよう、押さえておきたいポイントを以下の5つの視点にまとめて紹介していきます。

  1. 退職手順はしっかり踏むべき

  2. 自己都合か会社都合か?退職届の記載内容に注意

  3. 失業保険の基礎知識:給付制限を理解しよう

  4. 退職前に「休職」できるケースも

  5. 「退職代行サービス」の利用もあり

ひとつひとつ、詳しくチェックしていきましょう。

 

1.退職手順はしっかり踏むべき

まず大前提として、どんなに理不尽な仕打ちを受けたとしても、会社を退職する際に必要な手続きなどはしっかりと済ませるようにしましょう。

衝動的に退職する方の中には、

  • 退職届を提出しないまま、突然会社に出勤しなくなる(バックレる)

  • 会社の指定する手続きを取らずに一方的に退職届を突き付ける

  • 「明日から出勤しません」などと、勝手に退職日を決めつけてしまう

上記のように、やや横暴とも取れる手段で退職に踏み切ってしまうケースも……。

もちろん、精神的・肉体的に限界ギリギリに追い込まれるまで、違法なパワハラ行為を受け続けてきた結果ではあります。

が、上記のような手段で退職をしてしまうと、場合によっては「会社に損害を与えた!」として、損害賠償などを請求される可能性も無くはありません。

また、本来受け取れるべき給料や賞与などが振り込まれない!などのトラブルに発展するリスクもあります。

自分の身を守るためにも、自分が損をしないためにも、退職に必要な手続きだけはしっかりと済ませることをおすすめします。

退職は何日前に伝えるべき?

正当な手順での退職を検討する場合、

  • 「退職届はいつ出せばいいの?」

  • 「退職届を出したらすぐに辞めていい?」

このような疑問が頭に浮かぶ方もいますよね。

結論からいえば、退職届を提出してから退職できるまでの期間は『2週間』とされています。これは、労働基準法よりも上位の法律である民法上で定められた期間で、条文では以下のように示されています。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

出典:民法第627

つまり民法上では、退職届を提出した日から2週間以上経過すれば、たとえ会社があなたの退職を許可しなくとも強制的に雇用契約を解消(退職)することが可能です。

ただし、多くの会社では就業規則内に「退職の希望は1ヶ月以上前に伝えること」などといった期間が規定されています。

法律上は2週間での強制退職が認められていますが、請け負っている仕事の引継ぎなどの関係上、1~2か月前には退職の希望を伝えるのが一般的となっています。

不要なトラブルを防ぐためにも、会社で規定された就業規則内の期間を目安として考えるようにしましょう。

パワハラ退職でも1ヶ月以上前に退職を伝えるべき?

退職の意思がある場合、余裕をもって会社に申告するのがマナー(一般常識)といわれますよね。

しかし注意したいのが、退職の理由がパワハラである場合、あまりにも早い段階で退職の意思を伝えてしまうのは危険だ!ということです。

理由とすると、退職を前に

  • 嫌がらせなどのパワハラ行為がエスカレートする

  • 退職を妨害されてしまう

  • 根も葉もない噂を流され、転職に不利になってしまう

このような事態に陥ってしまうリスクがあるからです。

パワハラが原因となれば、会社側もなんらかの責任を負うことになりますよね?だからこそ、思わぬ圧力がかからないとも言い切れません。

パワハラが原因で退職する場合は、

  • 退職の希望はギリギリまで伝えない

  • 有給休暇を利用して、できる限り出勤しないようにする

  • 転職先をあらかじめ決めておく

このような工夫をすることも、自分の身を守ることにつながります。

 

2.自己都合か会社都合か?退職届の記載内容に注意

パワハラで退職する前に知っておくべき2つ目のポイントは、『退職理由』のちがいについてです。

退職理由は「自己都合」と「会社都合」の2種類に分類でき、どちらに該当するかによって、失業保険の給付に大きな影響を及ぼします(次の見出しでくわしく解説します)。

「自己都合」と「会社都合」のちがい

そもそも「自己都合」と「会社都合」ってなに?という方のために、両者のちがいを大まかにまとめてみましょう。

  • 自己都合……転職など。失業保険で3か月の給付制限+期間短縮。退職金減額。

  • 会社都合……倒産・リストラ・解雇など。失業保険の給付制限なし。

自己都合は、労働者が自分の意思で退職を希望するものを指します。一方で会社都合とは、会社側の判断ややむを得ない事情や判断によって、退職を余儀なくされてしまったケースが該当します。

パワハラが原因の退職、と聞くと、「自分がパワハラに耐えられなかったから辞める=自己都合」とイメージしがち。

しかし、パワハラは会社都合に該当する明らかな理由のひとつです。退職理由を明記する書類上には、

  • 「事業主または他の労働者から就業環境が著しく害されるような言動(故意の排斥、嫌がらせ等)を受けたと労働者が判断したため

  • 妊娠、出産、育児休業、介護休業等に係る問題(休業等の申出拒否、妊娠、出産、育児等を理由とする不利益取扱い)があったと労働者が判断した場合

出典:雇用保険被保険者離職票-2(ハローワーク公式サイトより)

このような、ハラスメントを表現する退職理由が選択肢の中に含まれています。

決してわがままな言い分ではなく、「会社都合」での退職を希望する権利があるということを理解しておきましょう。

「会社都合」のメリットデメリット

「会社都合」での退職だと認定されれば、失業保険をすぐに受け取ることが可能です(詳細は後述)。

転職活動期間を安心して過ごすうえで、この失業保険の給付は非常に大きなメリットだといえるでしょう。

しかし、会社都合での退職の場合、次の転職活動時に必要な履歴書に「会社都合による退職」と記載しなければなりません。これは場合によっては、

  • もしかして解雇された経歴がある?

  • 前の会社をリストラされた、要注意人物かもしれない……

などといったネガティブな印象を与えるリスクもはらんでいます。転職活動で不利にならないよう、履歴書には単に「会社都合による退職」という文言だけでなく、しっかりと退職理由まで記載したほうがいいでしょう。

パワハラでの退職は「会社都合」にするべき?

上記のようなデメリットもあるとはいえ、金銭的な面で大きなメリットがあるのが「会社都合」による退職です。

パワハラが原因で退職に追い込まれた!と会社側に認めさせる意味でも、できることなら「会社都合」での退職にするよう対処することをおすすめします。

退職届の記載方法:「一身上の都合」はNG!

もし、会社都合での退職を希望する場合、提出する退職届には絶対に「一身上の都合で」と記載しないよう注意しましょう!

なんとなくのイメージだけで適当に記載してしまうケースも目立つ退職届ですが、実は、失業保険の給付認定にもかかわる重要な書類のひとつです。

よく耳にする「一身上の都合」とは、あくまで自己都合での退職時に用いられる表現。つまり、このキーワードを記載してしまうと、会社都合での退職として認定されにくくなってしまいます。

あくまで会社都合での退職だとしたい場合、退職届にはあえて退職理由を記載しないようにしましょう。

 

3.失業保険の基礎知識:給付制限を理解しよう

「自己都合」と「会社都合」での退職では、退職後に受け取れる『失業保険』に大きなちがいがあることは、すでにお伝えしました。

では、具体的にどんなちがいがあるのか。失業保険の基本的な知識について、退職前にチェックしておきましょう。

「自己都合」で退職した場合の失業保険

失業保険の給付は、

  1. 退職後、離職票をハローワークへ提出

  2. 「求職申込み」の申請書の提出

  3. 受給説明会への参加

  4. 7日間の待期期間

これらの手順を経ることで、ようやく手元に手当が振り込まれます。

しかし、退職理由が「自己都合」となった場合、7日間の待期期間に加えて「3か月間の給付制限」を受けなければなりません。

つまり退職してから3か月以上は、失業保険が受け取れないということ。この期間は無収入となってしまうため、退職後の生活で苦労する方も目立ちます。

また、雇用保険の被保険者期間や年齢によって異なりますが、自己都合退職の場合は「給付日数」自体も短くなってしまいます。

給付日数とは、失業保険が受け取れる日数です。給付日数が短い=受け取れる総額が減ってしまう、ということ。

自己都合退職では、失業保険の給付でかなりのデメリットがあると理解しておきましょう。

「会社都合」で退職した場合の失業保険

一方「会社都合」の退職だと認定された場合は、上記のような給付制限を受けることなく、すぐに失業保険を受け取ることができます。

また、「給付日数」も自己都合退職と比べて長く設定されています。

  • 自己都合退職・・・90150

  • 会社都合退職・・・90330

※雇用保険の被保険者期間や年齢により認定(詳細:ハローワーク公式サイト参照)

会社都合退職であれば、失業保険をはやく・多く受け取れる可能性があります。

会社側が「自己都合で退職した」と言い張ったとしても、正当な理由や根拠があれば、労働者側がハローワークに異議を申し立てることも可能です。

自分にとってのメリットを考えたうえで、「自己都合」での退職か「会社都合」での退職か、方針を固めるといいでしょう。

4.退職前に「休職」できるケースも

悪質なパワハラ行為が原因でなんらかの不調を感じている場合は、いきなり会社を退職するのではなく、「休職」制度を利用できるケースもあります。

休職期間中は給料の支払いはありませんが、医師の診断書があれば、「傷病手当金」を受け取れる場合も。

一定額の手当を受け取りながら療養できるため、会社に在籍しながら体調を整えることができるというメリットがあります。

傷病手当金とは?

傷病手当金とは、病気やケガが原因で思うように働けない場合に、生活を保障することを目的として全国健康保険協会から支給される手当を指します。

業務外の事由による病気やケガの療養のため仕事を休んだ日から連続して3日間(待期)の後、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。

出典:全国健康保険協会 公式サイト

傷病手当が支給される期間は最長で16ヶ月であり、支給金額の計算式は以下の通りです。

  • 1日あたりの支給額 = [支給開始日以前の継続した12ケ月の各月の標準報酬月額の平均した額] ÷ 30 × 2/3

支給金額の決定にはやや複雑な計算式を用いるため、気になる方はこちらの計算ツールを活用してみてもいいでしょう。

休職後、そのまま退職はできる?

休職できる期間は会社ごとに定められており、一般的には3か月~数年とされる企業が多いです。

ただし、必ず定めなければならないという決まりはないため、休職を希望する場合は就業規則をしっかりと確認するようにしましょう。

休職期間を経ても復職の見込みが立たない場合は、そのまま退職することも可能です。

仮に傷病手当を給付中に会社を退職したとしても、健康保険に1年以上加入していた場合は、そのまま継続して傷病手当を受け取ることもできます(失業保険と傷病手当を同時に受け取ることはできません)。

傷病手当金は失業保険とちがい、給付制限はありません。

体調不良を感じており、退職という選択肢を余儀なくされている場合は、いきなり退職するのではなく「休職制度」や「傷病手当金」についてもチェックしてみるといいでしょう。

5.「退職代行サービス」の利用もあり

パワハラが原因で退職する前に知っておくべき5つ目のポイントが、『退職代行サービス』についてです。

悪質な嫌がらせを日常的に受けている方の中には、下記のような考えに陥ってしまっているケースも多いでしょう。

  • もう1日だって会社になんか行きたくない!

  • 上司が怖くて、自分から退職を切り出せない……

  • 退職の手続きが不安で、退職そのものをあきらめている

ひとつでも当てはまる方や、心当たりがある方は、ぜひ『退職代行サービス』についてチェックすることをおすすめします!

「退職」とは、非常に大きなエネルギーを必要とする決断です。

すでにパワハラが原因で疲弊している方にとって、これほどのエネルギーを振り絞るのは至難の業……。

そんな「退職」をサポートしてくれるサービスが、退職代行サービスです。比較的新しいサービスであり、まだまだ聞き慣れない方も多いのでは?

ということで、ここからはパワハラ被害者の方をサポートしてくれる『退職代行サービス』について、詳しくご紹介していきます。

 

退職代行サービスとは?

退職代行サービスとは、社員本人に代わって会社側に退職の意向を伝えてくれるサービスを指します。

会社側と直接やりとりをしてくれるうえ、必要な手続きも代行してくれる点が、近年急激に人気を集めている要因といえるでしょう。

サービス自体は以前から存在していたものの、退職代行に特化したサービスが提供されるようになったのはつい最近のこと。

テレビやメディアにも掲載されるようになり、若者を中心に利用希望者が急増している注目のサービスです。

 

退職代行サービスの3つの特徴

退職代行サービスについてさらに深堀するために、サービス内容の特徴についてご紹介していきます。

退職代行の特徴は大きく以下の3点。

  • すぐに辞められる「即日対応」

  • 追加料金は一切なし!分かりやすさ重視の一律料金

  • 有給や賃金に関する交渉は不可

それぞれについて、解説を進めていきましょう。

特徴①:すぐに辞められる「即日対応」

退職代行サービスの多くが、最短で相談をした当日から対応してくれます。

相談~費用の支払い手続きを終えれば、あっという間に退職手続きにふみ切れるのは嬉しいポイントですよね。優良な退職代行の中には、24時間相談可能な窓口を設置している企業も。

深夜でも休日でも、退職を決意した瞬間に依頼できるのは退職代行サービスならではの特徴だといえるでしょう。

特徴②:追加料金は一切なし!分かりやすさ重視の一律料金

ほとんどの退職代行サービスでは、相談~実際に退職手続きを完了するまでの一律で料金を設定しています。

その間であれば、何度相談してもOK。相談するたびに追加料金が発生する、ということはありません。

「退職」というエネルギーを使う大仕事に向き合うタイミングだからこそ、分かりやすい一律料金に設定されている点は大きな魅力だといえますね!

ただし、すべての退職代行が一律料金とは限りません。悪質な詐欺サービスに引っかからないよう、正式契約前にしっかりと料金プランやオプションについて確認するようにしましょう。

特徴③:有給や賃金に関する交渉は不可

良いことづくめに感じる退職代行サービスですが、提供できるサービスの範囲には限りがあります。

退職代行サービス業者が行えるのは、あくまで「依頼主の代わりに退職の意思を伝えること(退職届を提出すること)」。

それ以上の行為を実施するには弁護士資格が必要であり、資格を持たない業者が有給や未払い分の残業代の請求などの交渉までを代行することはできません。

具体的には、

  • 依頼主の代わりに退職金や残業代の請求交渉を行うこと

  • 有給休暇の取得時期・期間に関する調整

  • 損害賠償を請求すると言われた場合の対応

上記は退職代行サービスでは実施できない範囲に該当するため、第三者へ依頼したい場合は弁護士への相談が必要となります。

 

職代行サービスの料金相場は?

ここ数年の急激な人気上昇により、退職代行サービスを提供する会社が乱立するようになりました。その影響もあってか、退職代行の料金には各社でバラツキがあります。

一般的な料金相場をみると、3万円~6万円ほど。概ね5万円前後を想定しておくと安心です。

先ほども触れましたが、退職代行サービスは一律料金システムを採用しているケースが多く、最初の無料相談の段階で予算を把握しやすいのが特徴です。

ただし、今後も人気が上昇し続けた場合、急激な価格競争や料金システムの多様化が進む可能性も無くはありません。

現時点での料金相場を参考にしつつ、実際に依頼を検討する場合はしっかりと料金システムや予算の確認を取るようにしましょう。

 

パワハラ被害で退職代行を利用するメリットデメリット

非常に便利な退職代行サービスですが、メリットだけでなくデメリットもあります。

パワハラ被害に苦しみ、「退職」というワードが頭に浮かんだ方のために、退職代行サービスを利用するメリット・デメリットをまとめてご紹介していきます。

メリット

退職を切り出しやすい

退職を検討するうえで大きな壁となるのが、「いつ・どうやって上司に退職を切り出すか?」という点ではないでしょうか?

特にパワハラが横行するような会社の場合、

  • そもそも上司が聞く耳を持ってくれない

  • 退職を切り出したら怒鳴られそうで怖い

  • 残される同僚の目が気になってしまって退職に踏み切れない

このような悩みを抱えたまま、辞めたくても辞められない状況に陥ってしまっているケースが目立ちます。

しかし『退職代行サービス』を利用すれば、自分の口から退職の希望を伝えずに会社を辞めることが可能。

第三者が間に入ってくれるため、自分では勇気が出ない方でも退職を切り出しやすくなる、という点は大きなメリットだといえるでしょう。

パワハラ上司に会わずに辞められる

限界ギリギリまでパワハラに耐え続けている人にとって、退職を決意した途端「もう二度と、あんな上司の顔なんか見たくない!」と感じる方も多いです。

また、“退職希望を伝えただけで怒鳴られる未来”が目に浮かんでしまい、「わざわざ怒られるために会社に行きたくない」という方もケースも。

このような方にとって、直接パワハラ上司に会わずに退職する、という点は何物にも代えがたい大きなメリットですよね。

精神的な負荷も軽くなるため、自分の身を守ることにもつながります。

辞められない時の強行手段として利用できる

  • 何度も退職希望を伝えているのに、辞めさせてもらえない

  • 退職できないよう会社ぐるみで圧力をかけられてしまった

パワハラ上司が権力を握っているワンマン会社ほど、思うように辞めさせてもらえないトラブルが発生しやすいのが現状です。

このような自分ではどうしようもない場合こそ、退職代行サービスという第三者を仲介することで強制的に退社する!という方も。

最後の強行手段として活用できるのも、退職代行サービスのメリットだといえるでしょう。

デメリット

費用負担が発生する

本来であれば、会社を退職する際は特に費用がかからないですよね。しかし、退職代行サービスを利用するとなれば、会社を辞めるために数万円単位の費用負担が発生してしまいます。

会社を辞めるとなれば、一時的に収入は不安定になりがち。そのタイミングで費用が発生するのはデメリットだと言わざるを得ません。

弁護士法に抵触する行為は対応してもらえない

先ほども触れましたが、退職代行はあくまで「本人に代わって退職の意思を伝える」サービスです。

このため、賃金や労働条件に関する交渉は一切できません。仮に「訴えるぞ」と脅されてしまった場合の対応も、退職代行サービスではできません。

ただし、大手退職代行サービス『EXIT』の公式サイトには以下のように解説されています。

Q.本当に退職できますか?

A.数千件のご相談に対応させていただきましたが、退職できなかったケースというのは今までに一件もありません。そもそも、誰にでも退職する権利があります。

 

Q.会社から訴えられませんか?

A.「訴えるぞ」と脅してくる会社もありますが、裁判をするコストを踏まえると、会社側にとって割に合いません。
また、実際に訴えられたケースは一度もありません。

出典:退職代行「EXIT」公式サイト

退職前はつい悪いイメージを抱きがちですが、誰にでも会社を辞める権利はあります。裁判を起こしてでも辞めさせない!というケースはめったにないと考えていいでしょう。

  • 未払いの残業代を請求したい

  • 消化しきれていない有給について交渉したい

  • 会社のせいで体調を崩したから、治療費を請求したい

このような強い思いがある方は、専門家である弁護士への相談を検討してみましょう。

悪質な退職代行業者にだまされる可能性も

退職代行サービス業者が乱立しはじめた結果、詐欺を目的とした悪質な業者がまぎれ込みだしていることも事実です。

悪質な業者に引っかかってしまうと、

  • 退職したはずが、手続きが完了していなかった

  • 料金プランが分かりにくく、結果として費用が高くなってしまった

  • 弁護士法に抵触する行為が横行している

このようなトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあります。悪質業者に騙されないよう、自分の目で見極める力が必要です。

 

 

失敗しない退職代行サービスの選び方

悪質な詐欺業者にだまされず、後悔のない退職代行サービスを選べるよう、失敗しない退職代行サービスの選び方をチェックしていきましょう。

退職代行選びの基準となる大きなポイントは以下の3点。

  1. 退職率をチェック!100%に近い会社を選ぼう

  2. 顧問弁護士が在籍している会社は信頼度◎

  3. 対応スピードの速さも重要!

それぞれについて、詳しく解説していきます。

ポイント①:退職率をチェック!100%に近い会社を選ぼう

退職代行を依頼するうえでなによりも重要なのが、『本当に確実に退職できるかどうか』ではないでしょうか?

退職代行サービスを利用したのに辞められなかった、となれば、以前よりもさらに辞めにくい環境に陥ってしまう可能性もあるわけです。

だからこそ、確実に退職できる“正確さ”・“退職率の高さ”は確実にチェックしたほうがいいでしょう。

大手退職代行サービスの多くは『退職率100%』、もしくは限りなく100%に近い実績を掲げています。

ホームページ上で退職率を確認できない場合は、該当するサービスの口コミなどを入念にチェックすることをおすすめします。

ポイント②:顧問弁護士が在籍している会社は信頼度◎

信頼度の高い退職代行業者の中には、

  • 顧問弁護士

  • 顧問行政書士

を配置しているサービスもあります。法律の専門家と提携しているため、退職時になにかトラブルがあった場合にすぐに対応してもらえる点は大きなメリットに!

また、退職代行の社員が弁護士からしっかりと指導を受けていることもあり、そもそもトラブルにつながりにくい対応が期待できます。

「顧問弁護士がいれば100%安全・いなければ危険」という訳ではありませんが、信頼度を判断する重要なポイントとして理解しておきましょう。

ポイント③:対応スピードの速さも重要!

料金や信頼度とならんで重要になるのが、依頼~実際に退職するまでの対応スピードです。

もう限界だ!今すぐ辞めたい!と思って連絡をしても、返事が来るまでに3日もかかるようでは希望通りに退職なんてできませんよね。

反対に、対応が早ければ早いほど、実際に利用したあとの満足度も高くなりやすいです。

退職代行サービス選びで迷ったら、

  • 即日対応

  • 最短1日で退職可!

  • 24時間相談受付

などなど、対応スピードや丁寧さを前面に押し出しているサービスをチェックしてみてください。

ただし、「即日対応」をうたっていながら、実際は対応に時間ばかりかかる会社も無くはありません。会社のホームページと併せて、SNS上の口コミなどもチェックすることをおすすめします。

 

退職代行をおすすめするのはこんな人

退職代行サービスについて解説してきました。メリットデメリットの部分でも触れたように、退職代行は上司や会社との面倒なやりとりをすることなく退職できるのが最大の魅力です。

つまり、パワハラ行為に悩む被害者にとって、退職代行は力強くサポートしてくれる強い味方。

  • 上司や同僚からパワハラを受けている方

  • もう1日だって会社に行きたくない!という方

  • 自分の口から退職を切り出せない方

  • 退職を認めてもらえない方

このような、辞めたくても辞められずに苦しんでいる方は、ぜひ一度退職代行サービスの利用を検討してみてください。

 

転職先を決めてから退職したい人が取るべき対処法

ここまでは会社を「退職」する方に焦点を当てて解説を進めてきましたが、

  • 退職前に次の転職先を決めておきたい

  • 転職できる自信がなくて、会社を辞められない

などなど、「転職」に関する悩みを感じている方も多いのではないでしょうか?

新卒や20代の転職であればまだまだ十分に可能性はありますが、30代や40代以上の転職ともなると、

  • これまでの実績が重視されやすい

  • 何らかのスキルが求められる

  • そもそも転職者の受け皿が限られてしまう

などといった壁にぶつかりやすくなっていきます。そこでここからは、転職を希望する方が退職前にチェックしておきべき3つのポイントについて、一緒に確認していきましょう。

1.希望転職先の候補を見つけておく

退職する前から、空いた時間に求人票をざっと眺めてみましょう。次の転職先の候補を探すだけで、現在のパワハラ会社を辞める未来が現実的にイメージしやすくなります。

精神的に追い詰められがちなパワハラ被害者の方ほど、未来に目を向けると気持ちが楽になりますよ。

また、いい求人を見つけたら積極的に転職活動をスタートしてみるのもおすすめ。転職先が決まってしまえば、現在の会社から退職を認められやすくなることもありますよ。

ただし、実際に転職先が決まったら、入社日は余裕をもって決定しましょう。現在の会社とのトラブルを未然に防ぐことにつながります。

2.必要なスキルを取得しておく

現在、体力や精神面に余裕があるようであれば、次の転職先を見据えて取得できる資格にチャレンジしてみるのもおすすめです。

転職は決して逃げではなく、キャリアアップにつながるチャンスでもあります。

パワハラをネガティブな出来事で終わらせないよう、新しい仕事へ向けて取り組み始めてみましょう。

ただし、パワハラ被害で疲れを感じている場合は、無理に取り組むのはNG!自分の心や身体と向き合ったうえで判断するといいでしょう。

3.転職エージェントに登録する

はたらきながら転職活動に取り組むのは至難の業。体力的にも厳しいうえ、働きながらでは面接などのスケジュール調整がうまくいかないケースも……。

転職活動をスピーディーに成功させるためにも、パワハラに悩む方ほど、転職の専門家のサポートを受けることを強くおすすめします。

『転職エージェント』に登録すれば、自分の希望に合った求人を紹介してくれるうえ、面接などの日程調整もサポートしてくれますよ!

ということで、ここからは転職エージェントに関して、仕組みやメリットなどを詳しくチェックしていきましょう。

 

転職エージェントの3つの特徴

転職エージェントは単に求人を紹介するだけでなく、働きながらの転職活動を成功に導けるような様々なサポート体制を整えたサービスです。

大きな特徴は以下の3つ。

  1. 非公開求人を紹介してもらえる

  2. 企業との日程調整・交渉を代行してもらえる

  3. 面接対策・履歴書添削も無料で実施!

それぞれのポイントについて、詳しくチェックしていきましょう。

特徴①:非公開求人を紹介してもらえる

転職サイトや求人広告などには載っていない「非公開求人」が、転職エージェントのみに掲載されている場合があります。

非公開求人は一般的な求人と比べて条件等がいい・給料が高いなど、メリットの大きい求人である可能性大。

また、ひとりひとりに担当がつき、自分の希望などを細かく相談することも可能。求人票の内容だけで直観的に選ぶよりも、より自分に合っている求人をピックアップして紹介してもらうことができます。

特徴②:企業との日程調整・交渉を代行してもらえる

希望の転職先が決まったら、先方とのやり取りやスケジュール調整などをすべて転職エージェントが代行してくれます。

直接自分で連絡する必要がないため、働きながらの転職活動でもスムーズに進められる点は大きな特徴だといえるでしょう。

通常、働きながらの転職活動は日程的に過密になりがちですが、転職のプロが仲介してくれる分、無理なく・かつスピーディーに次の転職先を見つけることができますよ。

さらに、自分では聞きにくい給料などの条件についても交渉してくれるため、自分の希望に沿った条件で転職できる可能性も広がります。

特徴③:面接対策・履歴書添削も無料で実施!

転職活動で欠かせないのが、履歴書や職務経歴書などの書類作成作業です。

パワハラをはじめ、転職を検討する理由はさまざまですよね。そんな転職理由を代表とした履歴書の書き方について、先方からの印象が良くなる方法をプロの視点からアドバイスしてもらえます。

また、転職希望先の企業の特性を踏まえたうえで、効果的な面接対策まで実施してもらえるのも転職エージェントならでは。

転職サイトなどを活用した独自の転職活動とくらべ、専門家からのサポートを受けられる分、転職成功率をグッと高めることが期待できます。

 

転職エージェントのデメリットとは?

転職エージェントの特徴やメリットについてお伝えしてきましたが、利用する前にデメリットについても理解を深めておきましょう。

転職エージェントを利用するうえで注意したいデメリットは、主に以下の3点です。

デメリット①:自分のペースで転職活動を進められない場合も

転職エージェントはプロにより徹底したサポートが受けられる分、とんとん拍子で転職活動を進めていく傾向が強いです。

このため、

  • まだ転職すると決まったわけではないんだけど……

  • もう少しじっくり転職先を選びたい

といったように、自分の想定よりも早いペースで転職活動を進めなければならないことも。

自分のペースに合った転職活動がしたい方は、はっきりと担当に転職希望時期を伝えることが重要です。

デメリット②:紹介先を調整されてしまう可能性も

自分のこれまでの職歴や経験、保有している資格などを加味したうえで、自分に合う求人を紹介してもらうことができます。

しかし場合によっては、「自分の現在のスキルでは転職は難しい」と勝手に判断されてしまい、紹介先を調整されてしまうケースも。

まったく未経験の分野に挑戦したい方や、これまでの経験に自信が持てない方にとってはデメリットといえるポイントでしょう。

具体的に希望する職種や企業がある場合は、担当者にはっきりと思いを伝えることが必要です。

デメリット③:担当のスキルや経験に左右されがち

転職エージェントに登録すると、ひとりひとりにコンシェルジュと呼ばれる担当がつくことになります。

自分の担当者に対して細やかな求人の希望を伝え、それをもとに膨大な数の求人からぴったりだと判断した求人を紹介してもらえます。

しかし、新人やスキル不足の担当者に当たってしまった場合、なかなか理想通りの求人を紹介してもらえないことも。

また、自分と相性が悪い(なんとなく苦手意識を感じてしまう)人が担当になった場合、うまく自分の希望を伝えられないケースもあります。

担当者の対応に違和感を感じたら、

  • 担当変更を依頼する

  • 別の転職エージェントに乗り換える

  • 複数の転職エージェントに登録しておき、自分と合う担当者を選ぶ

このような対処法がおすすめです。どの転職エージェントも利用料金はすべて無料ですので、気軽に複数登録してみるといいでしょう。

 

失敗しない転職エージェントの選び方

ポイント①:総合型と専門特化型エージェントの違いを理解する

転職エージェントには大きく

  • 総合型転職エージェント

  • 専門特化型転職エージェント

2種類があります。総合型エージェントは、業界や求人の種類を問わずに大量の案件数を取り扱うのに対して、専門特化型エージェントは限られた職種や業界、地域に特化した案件を豊富に取り扱うという違いがあります。

ただやみくもに登録してしまうと、自分の希望職種の求人は専門外だった!という事態になり兼ねません。

また、ハイクラス求人だけを扱うエージェントでは、20代の転職にはそぐわない可能性もあります。

それぞれの違いを理解したうえで、初めて転職エージェントを利用する場合は「総合型の転職エージェント」に登録することをおすすめします。

ポイント②:自分と相性のいいコンシェルジュを見極める

先ほども触れましたが、転職エージェントは良くも悪くも、担当コンシェルジュとの相性によって成功率や満足度が大幅に左右される傾向にあります。

自分と相性のいい担当者と出会えれば、「この人に頼んでよかった!」と実感できるような満足のいく転職が可能になります!

そのため、初めて登録したエージェントや担当者にすべてを任せなければいけない、とは考えないほうがいいでしょう。

自分と相性のいい担当コンシェルジュ(キャリアアドバイザー)を見つけることが、転職を成功させるカギを握ります。

ポイント③:2~3社へ複数登録する

転職エージェントによって、取り扱う案件や保有する情報量には違いがあります。

そのため、自分の希望に合う求人がどのエージェントに眠っているかは誰にもわかりません。

後悔のない転職活動をするためにも、できれば23社の転職エージェントに複数登録するようにしましょう。

複数のエージェントを利用することでより多くの求人に触れらえるうえ、数人の担当者を比較しながら自分との相性を見極めることも可能です。

くり返しになりますが、転職エージェントは登録から利用まですべて完全無料。費用は一切かからないため、気になるエージェントには積極的に登録してみるといいでしょう。

 

転職エージェントをおすすめするのはこんな人

転職エージェントについて解説してきました。特徴やデメリットの部分でも触れたように、転職エージェントなら働きながら効率的に転職活動を進めることが可能です。

転職のプロによる全面サポートを受けて活動できるので、転職への不安もぐっと軽減できるのは大きな魅力。

パワハラ行為に苦しみ、心身ともに疲弊してしまっている方にとっては、転職エージェントからのサポートは“未来への期待”を感じさせてくれるでしょう。

  • 転職したいけど、求人をみる時間がない方

  • 今の会社で散々な目にあったからこそ、次の転職先は絶対に失敗したくない方

  • そもそも面接や履歴書作成に自信がない方

  • 賃金などの労働条件を交渉したうえで転職したい方

上記にひとつでも当てはまる方は、転職エージェントの利用を検討してみることをおすすめします。

 

 

 

まとめ

「パワハラ×転職・退職」をテーマに、必要な情報を網羅的にお伝えしてきました。

パワハラ被害は自分の想像している以上に、自分自身をむしばんでいます。今のまま耐え続けるだけでは、状況が改善することはないでしょう。

だからこそ、転職や退職はパワハラに対抗する立派な選択肢のひとつ。ひと昔のように「会社を辞めるなんて、逃げてるだけだ!甘い!」という考えは、今の時代では通用しません。

パワハラ被害に悩んだら、自信をもって退職や転職を検討してみましょう。

その際、自分のとって不利になるような行動は避けたいですよね。今まで理不尽なパワハラに苦しんできたからこそ、転職や退職は自分にとってメリットのある選択である必要があります。

本記事で紹介した、

  • パワハラで退職する前にやるべき3つのこと

  • 退職前に知っておきたい5つのポイント

  • 退職代行サービスのメリット・デメリット

  • 転職エージェントのメリット・デメリット

これらのポイントをもう一度よく確認し、自分にとって最善の一歩を踏み出してください。

 

This article was updated on December 15, 2022